ちなみに前回の分
クレヨンしんちゃん 映画感動ランキング 第1位 (個人的に)
http://www.himatubuenter.com/article/459863233.html
続いて、第2位は
映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦
やはりこれじゃないかと。まぁ予想通りかな、と。(笑)
この物語もネタバレ満載、オススメ全開でいきます。
まずはあらすじ
スタートはいきなりある女の人から始まります。
その後、少ししていつも通りの朝が来ます。しかし家族全員がこの日同じ夢を見たといいます。しかも全員同じこの女の人を
それだけの話で終わりかと思いきや、しんのすけが幼稚園から帰るとシロが庭に大きな穴を掘っていました。みさえはこれを怒りそのタイミングで帰ってきたしんのすけに穴を埋めなさい。と言います。
しかし、しんのすけが穴を埋めようとしてもシロがそれを邪魔します。しんのすけは これは財宝があるのかも?とシロと一緒に逆に穴をもっと掘り進めてしまいます。そうするとある木箱が見つかりました。
そこに書かれてたのは汚い字で
てんしょうにねんにいる おひめさまはちょーびじんだぞ
と書かれた文字と ぶりぶりざえもん でした。
それを見たしんのすけは自分が書いた覚えはないと、取り乱しますがすぐにちょーびじんのお姫様に会いたい。そう思いふと眼をとじ眼を開けると
そこには全く見覚えのない世界が広がっていました。しんのすけは意味が分からず歩いていくと目の前では合戦をやっていました。しんのすけは、なにかの撮影?と子供心に近づきます。そこに2人組の武士が火縄銃を持ち、人を狙っていました。しかししんのすけが邪魔をし、狙いがバレ苦し紛れに ドンッ と2発撃ちましたがそれは当たらず、思わず2人は逃げ始めました。その狙われていた者が近寄ってきて、命を助けられた。としんのすけに話しかけます。その後合戦は終わり、しんのすけの身を案じ助けてもらった侍 井尻又兵衛由俊 はとりあえずお城まで連れていきます。
そう、しんのすけはタイムスリップして戦国時代にきてしまったのです。
とりあえずそのお城に連れられお殿様と話し、お殿様の命で、しんのすけは又兵衛の家に行くことになりました。城から出る直前、廉姫に会います。その廉姫こそがしんのすけ家族が夢であった人でした。(序盤の画像)
しんのすけは、会ったことがある!と言い、いつどこで と聞くと 夢で と答えます。(なんとおしゃれな)
そして城から出ていき、又兵衛の家に着くと話をします。
「おじさんは家族はいないの」
「みんな死んだ、母は病気で、父と兄弟も戦で」
「ほうほう」とあまり関心のない返事のしんのすけ
そこに又兵衛の世話をしている夫婦が来て、妻が夫を諫めて耳を引っ張っていくと
「昔も女の人の方が強かったんだね」
「あの夫婦もせがれを戦で亡くしているのだ」
「ほうほう」
その頃、時代は遡り元の時代。かなり暗い雰囲気
それもそのはず。しんのすけが消え、警察にも頼ってはいるが見つからない状況。唯一の手掛かりは木箱としんのすけの書いたであろう手紙。 まさかそんなはずはない。しかししんのすけが天正2年なんて知ってるはずがない。しかし必死になって探してもどこにも見当たらない。庭に出て穴の前で、行き詰っているところ、ひろしがシロにしんのすけの行方を尋ねると 穴に向かって ワン と鳴く。
図書館で本を読むひろし。そこに記されていた内容は ”野原信之介とその一族が”
ひろしは急いで身支度をする。みさえが止めるも
「しんのすけのいない世界に未練なんてあるか」
その言葉を聞きみさえも腹を括り、身支度をします。
時は変わり戦国時代
廉姫とお話をするしんのすけ、廉姫が家族に手紙を書こうと言うとしんのすけが自分で書くと言います。これには又兵衛もたいしたものだと褒めます。その時、書いたのがそう、最初に見た手紙。そしてそれを入れる木箱を見てしんのすけも思い出します。
そして廉姫はしんのすけとまたお話をします
「そなたらの世界では男女はどのように恋をするのだ」
「21世紀ではお互いを好きになればいいんだよ」
「それだけか、家や身分も関係なくか」
「ほい」
その後、しんのすけと又兵衛は廉姫との話を後にしてその場を去ります。
しんのすけと又兵衛は2人で話します。
「おじさん、廉ちゃん好きなの」
これに又兵衛はおもしろいぐらい動揺します。
「誰が誰を好きになっても自由なんだから」
「お前たちの世界の話だろう!この世界には”身分”というものがあってな!!」
「”身分”が無かったらどうするの」
又兵衛 動揺。
1家臣が姫を好きになってはならない。これを絶対誰にも言うな。これを誓え
そう言い、しんのすけと又兵衛は武士の約束 金打(きんちょう)をします。
しんのすけを男として、武士として、対等にその誓いを立てます。
その後、しんのすけは一度又兵衛と別れ、最初の水辺に手紙を埋めにいきます。お馴染みの顔の子供たちと遊んでいるとそこに廉姫が突如来ます。ところが廉姫を狙う野武士に襲われます。咄嗟に助太刀するも止む無く、しかしそこに又兵衛が現れ、野武士を倒します。ここの戦闘シーンは素晴らしい。
廉姫を救い、又兵衛と廉姫は少し昔を思い出して話す。ちょっと不思議な間が空いたと思うと廉姫は又兵衛に寄り掛かります。しかし又兵衛はめちゃくちゃ動揺しながらも廉姫を突き放します。その行為にはおもわずしんのすけも怒ったのか
「おじちゃんの嘘つき!!」
そして、しんのすけたちは穴を掘り木箱を埋めます。
埋め終わると同時に後ろを振り返ると 車に乗った野原一家が登場します。しんのすけと再会を喜び、又兵衛たちに1度会釈するもその後車に戻り全力で「戻れもどれ!戻れええぇ!!!」と叫んでも戻れず、行く当てもないので又兵衛のとこへ家族で厄介に。
未来から来たということで、お殿様に話をするひろし。
未来は平和。この城も何もかもなくなっている。その話に落胆したお殿様は、決まりかけていた廉姫の縁談を破談させる。しかしこれを好機と敵の将軍はこれを理由に戦を始めることになる。戦は危ないからと遠くに行けと言い野原一家を避難させる。
しかし戦は多勢に無勢。苦し紛れに敵の将軍の首を狙いに行くも劣勢。
ピンチか、と思いきや、野原一家の車が戦の中に突っ込み敵がのけ反り、それを機に又兵衛たちは一気に敵の本丸まで乗り込む。
ここでの又兵衛の戦闘は本当にもの凄い圧巻で見もの。実は歴史文学者も非常に再現度が高くて優秀な資料になり得る。と太鼓判を押すほど
又兵衛の交戦中、敵の将軍が逃げようとした時しんのすけは前に立ちはだかります。
「お前、逃げるのか。逃げるなんて許さないぞ、お前偉いんだろ、偉いからこうなったんだろ。なのに逃げるなんて許さないぞ!」
この言葉に腹を立てた将軍は、しんのすけに切りかかります。しかしそれを間一髪、みさえが防ぎ、ひろしの助太刀が入り、敵がひるんだところでしんのすけの1撃。これにより将軍は倒れ、戦は終結。
戦の帰りに、又兵衛と共に馬に跨り話
「この戦いの1番の手柄はしんのすけだな。殿が褒美をくれるぞ、なにがいい」
「おじさんの小さい刀がいい」
「なに、それは困る。これは父の形見で、それより殿がもっといいものをくれる」
「あ、あれ廉ちゃんじゃない」
「なに、またお前はいい加減なことを」
遠くに本当に廉姫がいて、手を振る廉姫。戦に無事に帰り喜ばしい瞬間。
ドンッ
なにか音がしたかと思うと急に馬から落ちる又兵衛
「おじさん...?」
そこには胸を撃たれ倒れている又兵衛の姿。
なぜ撃たれたのか、どうしてしんのすけたちが未来からこの時代に来たのか。その全てがおじさんから話されます。そして死ぬ前に褒美としてしんのすけに小刀を渡します。それをもらったしんのすけは突然の別れに大粒の涙を流します。
(自分で書いてて普通に文庫本並みに内容垂れ流しでやばい気がしてきたので、この核の部分だけ伏せます。許して、本物見て。知ってると思うけど)
時間が経ち、未来から過去にタイムスリップしてきた最初の場所へ。
しんのすけと廉姫が話します。
「廉ちゃんはおじさんと結婚したかった?」
「うん、あんなに人を好きになったのは初めてだと思う。だから私はこの先誰にも嫁がない」
「あ、あのね、廉ちゃん。おじさんも本当は廉ちゃんのことを
「もうよい!もうよいのだ、しんのすけ」
涙を流す廉姫、しんのすけは戸惑い見せつつも無言でおじさんからもらった刀で
「きんちょう」
そして野原一家は車に乗り、未来のもといた時代に帰るのでした。END
感動。
さて、ここからが個人的な感想なんですが涙が...。
しかし感想の前に、もの凄い発見が2つほど見返しててありました!というか過去の自分はいまいちピンと来てなかっただけで細かな描写がしっかりあり改めて見て、また1つ深みを見たな...と感動しました。
発見その1
「死」について
しんのすけはこのタイムスリップした時代で何度も死に触れます。しかしその感じ方に大きな差が生じていますね。見直しててまず思ったのが最初の又兵衛の家族の話をしたとき、しんのすけは本当に無関心といってもいいんじゃないかと思う程、気にも留めてませんでした。確かに5歳児、まだ死というものをあまり理解してない年頃なのでしょう。現実でも、小さい子達というのはお葬式にいってもよく分かってない感じの子もいるはず。しかし最後のシーン、しんのすけは大粒の涙を流します。これは完全に死についてなんなのか、を理解しているからでしょう。子供目線、しんのすけ目線で例えるなら、”一生の別れ” そこにしんのすけには”突然の別れ” これにしんのすけは死を悲しいものだと直感しあれほど涙したのでしょう。
発見その2
「金打(きんちょう)」について
これについてはまず自分自身の知識不足もありました。お恥ずかしい。
作中では きんちょう と言葉なので漢字もあまりよく分からずそういうのがあるんだなぁ。ぐらいで流してました。
しかしこの金打。武士と武士が誓いを立てるもの、そしてこれを破れば武士でなくなる。そう又兵衛に言われこの誓いを立てた時、しんのすけは子供ではなく又兵衛と男としての誓いを立てたのです。又兵衛が廉姫のことを好きなのは言ってはならない。最後のシーンに思わず廉姫に言いかけそうになります。5歳児ゆえ、子供ゆえのところもありしょうがなくも感じます。しかしそこを廉姫が遮り、最後にはしんのすけ自身も誓いを守るため、又兵衛との約束を守るため1人静かに 金打 をしたのです。あのラストにそんな深い意味が...
何度見てもまだ発見があるのは、いかに作りこまれているかが伺えますね。たかがアニメ映画と侮るなかれ、言わずもがな多くの賞にもノミネートされるレベルの作品になっています。ぜひ見てほしい。
さてここからが、感想!
この作品は アニメ クレヨンしんちゃん らしからぬ要素があります。それが「死」です。正直、”戦争” ”恋愛” ”死”と言えばなかなかにあるテーマ、さらにいえばしんちゃんでそれしなくても良くない?と思えるところ。実際、今回これを書くためにいろいろと調べたら当時の製作秘話として本当に「それしんちゃんでしなくて良くない?」と話が出てもしかしてこんな話にならなかったかもって話もあったし。
しかし、結果的に凄かった!から褒めてる的なのではなくこの作品を見て真に心を打たれたものとしてこの作品は非常に素敵なものになっています。子供だからこそ、いやしんちゃんだからこそ素直に、また残酷に大人が建前や濁すところをどストレートにつけた作品でもあるのかな?と思います。廉ちゃんが好きかどうか、を又兵衛に詰めるときのしんのすけは本当に怖いぐらいド直球です。てかおちょくり倒してますねあれ。笑笑
また戦闘シーンはかなりかっこいいです。今時にある高画質のもの凄い展開、作画で見せるわけではなくかなり史実に基づいた戦い方を描写しているらしく、製作時にもかなり歴史書読み漁ったのだそう。だからこそ出来た、あの迫力はかなり痺れるものがありました。クライマックスにつれBGMもかなり良いです!
今回、アッパレ!戦国大合戦を第2位に据えましたが、本当に1位2位はかなり甲乙つけがたい。見るたびにこっちが!いや、こっちが!!となる。正直、同率1位で全然いいと思いました。(笑)
この作品、ぜひ皆さんにも見てほしいです。ネタバレが過ぎてみる必要ない??大丈夫!しんのすけが未来からここに来た理由はなんだったんですか??知っていますか???知らないはず。
そこはぜひ本作を見てほしい想いを込めて伏せましたので、良いなと思ったらぜひ見てみてください。百聞は一見に如かず。ここじゃ伝えきれない内容、流れの展開、盛り上げるBGM、全部見てこその最後の感動。見て後悔させません。見てください。
さて、次回は第3位発表します。こうご期待。
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